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当社は、日々、言葉を追いかけています。言葉を素材にして、人、組織、市場、社会を分析しています。

株式会社シードウィン ご相談・ご質問

ビジネス重要25単語の意味

重要単語として次の25単語を選んだ。

1.育成   2. イノベーション  3.機会  4.貢献  5.顧客 
6. コミュニケーション  7.資源  8.事実  9.市場  10.社会 
11.情報
  12.成果  13.生産性  14.正統性  15.責任 
16. 前提
  17. 戦略  18.組織  19. 報連相  20. マーケティング
21.マネジメント  22. ミッション  23. リーダーシップ  
24. 利益
  25.流通 (50音順)


単語を取り出すための元のデータは、数百の昇格論文、マネジメント論書籍(ドラッカー著4冊)、全国紙5紙社説(1ヶ月分―270社説)から、使われていたすべての単語を抽出した。それらの単語群で、マネジメントして重要とされた語群を選びだした。あまり使われていなかったが、語釈として理解しておかねばならない2つ単語「正統性」「前提」を追加した。さらに、一般に勘違いされている単語として「報連相」を追加し、25単語とした。「報連相」は単語ではないが、単語の如く使われているので加えた。

私たちが知っている単語群は20万単語ほどある。どこかで聞いたことがあるとか、媒体を通して読んだとかである。新聞等で接する単語数は2〜3万単語である。個人が日々使っている単語数は5000単語程度ある。昇格論文は2000字程度であれば、多くても800単語ぐらいだ。仕事をするには、ほぼこれだけの単語があれば十分である。ビジネス、マネジメントに関わる単語群はさらに少なくなる。

仕事人として、自らの言葉で定義しておく必要があるのは、およそ300語から400語である。定義したとき、それぞれの単語間で矛盾が少ないようにしておく。相反関係にあっても矛盾がないのが良い。文章表現、会話は単語をつなげて行うから、矛盾した意味を同時に使うと論旨がおかしくなってしまう。円滑な論理展開をするために単語の意味を丁寧に定義しておく。

単語の意味のとらえ方によって、考え方や行動の方向が変わる。考える材料の整え方に影響し、目的に対しての前提条件のとらえ方にも関わる。

一般には辞書で説明されている単語の意味で使われている。間違いがないが、一般に通用する意味で、幼い人から学識豊かな人、熟年までを含め、全体が認識している最大公約数的な意味である。すべての人が考える、理解するスタートの意味になる。この形は辞書としての使命である。

言葉は変化していく。一つの単語が初めて伝わった時の意味と、多くの人がその単語を使うようになった時とは意味が拡散してくる。辞書が編纂され、出版されるまでに年数がかかる。辞書編集担当者は、出版と同時に、語釈の収拾を始めるそうだ。

一つの単語は、一つだけの単語としての意味ではない。他の単語と絡み合って単語の特徴を発揮する。仕事のステージでは、単語の意味が特化すると同時に他の意味との関連、汎用性が求められるようになる。そうしなければ、考える方向や方法にミスマッチが起こるからだ。単語の意味は広く深くとらえ、他との相関・相反を考慮する。このように定義を進めていく。

各単語の定義の後に、辞書(広辞苑第六版)の意味を参考に挙げた。


1.育成

今後の彼、彼女の活躍を期待して育成をおこなう。組織が求める人材の姿(活躍している姿)を明らかにしておく。彼らが未来において活躍できる要素を伝達する。知識・技術だけでなく、視点、考える方法と方向を含む。知識・技術は進歩するから、今、学んだ事柄が将来まで有効であるとは限らない。自らが学ぶ方法、活用する方法を習得してもらう。伝達する側は、自らを超えてもらうように育成を進めてこそ、彼らは成長する。育成を始める前に、彼等の役割、責任、活動ステージを明確にしておく。

辞書⇒やしない育てること。立派に育て上げること。


2.イノベーション

変革、革新と類似して使われている。多くの分野で望まれている。イノベーションは、新しい価値観、新しい形態、新しい概念、新しい技術等々で、市場、社会を一気に発展(変革)させ、加速させることである。従来からの継続ではなく、改善ではなく、新しいモノとの入れ替えである。だから、組織内に廃棄システムを用意しなければならない。廃棄システムをもっていないところではイノベーションを起こせない。シュンペーターが言う「創造的破壊」が必要とされる。イノベーションは機会を見いださなければならない。社会が、緊張している部分、抑圧されている部分、不便さがある部分を発見し、これらを解き放ち、イノベーションが起こる。

イノベーションを起こすべき場所は、組織内ではなく、市場であり、社会である。市場でイノベーションを起こせば、少なくとも一定期間、市場でのリーダーシップが取れる。

イノベーションを起こし、効果を発揮させるためには戦略が必要である。


辞書⇒刷新。革新。新機軸。生産技術の革新・新機軸だけでなく、新商品の導入、新市場・新資源の開拓、新しい経営組織の形式などを含む概念。日本では技術革新と言う狭い意味に用いることもある。




3.機会

物事を成し遂げる、目的を達成するための条件が整ったタイミングである。目的があって機会がある。目的は明確であるほど良い。目的がなければ、機会を見いだせられない。機会は至るところに、いつでもあるが、見いだすための知識と技術、意識を持っていなければならない。目的があっても、知識・技術がなければ、機会は存在しない。自身、自社と市場、社会を観察し続ける。個人に頼るのではなく、組織として機会を見いだすシステムを持つ工夫が必要である。


辞書⇒何かをするのに好都合な時期。おり。しおどき。チャンス。



4.貢献

 貢献とは可能性の追求の意味である。「社会に貢献している」を本来の意味で表すと、「我が社の知識・技術を駆使し、製品、サービスをもって社会機能の可能性を追求する」になる。個人、組織に関わらず、貢献するとは、業務の対象に対して、自らの可能性を追求して、成果をあげる。可能性を追求して、発展、進化に参加できる。貢献できているかは、成果を受け取る側が判断する。


辞書⇒みつぎものを奉ること。力を尽くすこと。あずかって力あること。寄与。


 

5.顧客

お客様と顧客は異なる。購入する可能性のある人を含めてお客様とする場合が多い。顧客は、継続して、自社商品を購入する人たち、または組織である。顧客は、その商品を購入しているのではなく、顧客が商品を活用する利便性、効用を購入する。商品が顧客の手元で作り出す効果に、満足または価値を見いだし、購入し続ける。顧客満足、価値は商品提供者が考えるのではなく、顧客自身に確認しなければならない。顧客が、自社人材よりも商品価値を知っている。自社の特異性を知り、期待を持ち、自社商品を納得して、代価を支払う者が顧客である。


辞書⇒おとくいの客。



6.コミュニケーション

コミュニケーションは、知覚し、期待し、関与するために行う。コミュニケーションの目的は、互いに関与できる状態を作りだす。相手を知るために、互いに伝え合う内容について概念形成ができるように努める。ソクラテスは「大工に話すには大工の言葉を使え」と言った。相手の知識、経験に即して伝え合うようにするのが大切である。

目的を明確にする、互いが期待している事柄を明らかにするのを前提にしておくと、コミュニケーションの展開が速くなる。

人は言葉を持った。考えるための基準、測る基準、論理体系を持った。作るから生産すると行動体系を持ち、協働を知り、生きる意味を知った。コミュニケーションは、発展、拡大、廃止、革新等々の概念と行動の共通性を作りだす。

(注)コミュニケーションは情報ではなく、知識でもない。


辞書⇒社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。動物個体間での、身ぶりや音声、匂いなどによる情報の伝達。



7.資源

人間社会を構成し、維持し、発展させていくために必要となる材料、要素のすべてを示す。経済社会では、産業に関わる生産を中心にとらえている。産業革命以降、物を作る技術が発展し、同一、同品質の物を生産する方向へと進んでいった。生産革命が起こり、熟練者でなくとも高品質の物が作れるようになった。1930年頃から知識社会と言われるようになり、現代に至っては、高学歴者が多くの割合を占めるようになった。さらに、生涯学習が必要とされるほどに科学の発展が目覚ましくなっている。

日本でも2000年を過ぎてから、株式会社設立のための資本金を必要としなくなった。法制度として、資金を設立条件にしなくなった。つまり知識が資金を集め、企業活動ができるとした。

物の生産から、概念、知識、科学の生産と、生産する範囲が広がった。何より、知識が知識に影響し、知識生産が考えられるようになった。知識が資源に含まれた。自然物資源でとらえれば有限であるが、無形のモノを資源としてとらえ無限に産まれてくる可能性が出てきた。「ものつくり」として、物だけでなく、知識を含めた無形のモノを捉えなくてはならない。生産要素に成りえるモノは、生産する目的によって資源の範囲、資源の意味が変わる。自らの生産活動の目的から資源を検討する必要がある。


辞書⇒生産活動の元になる物質・水力・労働力などの総称。



8.事実

知覚できる存在、現象を示す。知覚できなければ、事実でないとなる。性質の異なる事実認識で、大多数の人が信じられれば事実として認識される。科学的論理で証明されている事柄を示す。事実は必ずしも真実ではない。事実を真実であるとして固定して考えてしまうと間違いを起こす。科学的な技術を用いて、計測した時、必ず最小単位の±0.2の誤差が生じる。計測した値は絶対として扱えるが、真実の値であるかは誤差範囲内である。計測した値を用いて何らかのモノを組み立てたとき、問題が発生しなければ真実の値で構成されているとする。しかし、精度として完璧であるかは不確かである。(完璧とする程度にもよる。)物事には、必ず正と負が存在する。相反するモノが存在する。ある事実に対して、最大(極大)、最小(極小)の値、または範囲があり、一つの事実がすべてではない。現象、存在事実に対して、前提、背景があり、前提、背景が異なるかその範囲が違えば、異なる事実、現象が産まれる可能性がある。事実は、限定した範囲で、多くが認められる認識のうえに成り立っている。事実は個人的なモノであるかもしれない

辞書⇒事の真実。真実の事柄。本当にあった事柄。。



9.市場

取り引き場所を示す市場と、需給関係での交換を示す市場がある。経済活動の大半が後者であり、無数の商品・サービスが重なり合って市場が存在している。概念的な状態になっている。「我が社の市場」としたとき、一つの商品についてとらえ、一商品、一市場の考え方をする場合がある。一つの商品が、単独で顧客に活用されているのではない。競合他社の商品との比較とは別に、他性質の商品、環境等々の条件の組み合わせで活用される。一商品一市場とする考え方は危険である。一つの商品に関わるたくさんの商品が存在する。多くの商品が、世界中で他の多くの商品と関わっている。世界で一市場として、如何に絞り込むかを検討しなければならない。同時に自社商品に大きな影響与える他の商品要素を知覚するようにしなければならない。


辞書⇒狭義には、売り手と買い手とが特定の商品を規則的に取引する場所を言う。魚市場・青物市場・証券取引所など。具体的市場。広義には、一定の場所・時間に関係なく相互に競合する無数の需要・供給間に存在する交換関係を言う。国内市場・国際市場など。抽象的市場。



10.社会

現代は経済社会、機能社会(組織社会)、知識社会、情報社会と言われている。社会の基盤を示した呼称である。四つの社会が重なりあって、社会が形成されている。現代社会は、何等かの法的制限の中で、社会が区切られている。国家、政党、法人等々である。しかし、科学の発達で、人、物、金の移動が自由になり、知識、技術、情報については、ほとんど制限を受けず、瞬時に移動できるようになった。国、民族、言語の区別はあっても、人、モノ、情報の移動の自由が、20世紀前半までの社会概念を変えつつある。21世紀前半は、ほとんどの人たちが、どこにいても、世界中の状態を見られるようになり、社会の制度変動期を作りだしている。

社会形態は、人口構造、生活形態、流通形態、労働形態、産業構造、経済構造、国際政治形態の七つのあり様と関連を観察する。社会の状態は、緊張、抑圧、潮流、転換、変革がどこかで必ず起こっており、これらを観察して、社会変化の傾向が探られる。


辞書⇒人間が集まって共同生活を営む際に、人々の関係の総体が一つの輪郭をもって現れる場合の、その集団。諸集団の総和からなる包括的複合体をも言う。

自然的に発生したものと、利害・目的などに基づいて人為的に作られたものとがある。家族、ギルド、教会、政党・階級・国家などが主要な形態。



11.情報

大学の学科である情報工学はコンピュータ技術、プログラミング技術・理論を示している。しかし、コンピュータ技術は情報ではない。情報工学は、概ね情報の伝達の利便化、情報の分析&処理を目的としている。知識、科学は情報にならない。体系化されるモノも情報にならない。

「お知らせ」は体系化されない。体系化されたとすれば案内図である。お知らせは一時的に、思考、行動を限定、もしくは方向づけの参考になるものである。情報も同様で、選択、意思決定、等々の判断を下すための一材料になる。一度、分かってしまえば情報ではなく、思考、行動の材料になる。

自身が判断をするために、今、何を必要としているのかを考えねばならない。行動するための材料がそろっていて、何が分かれば、行動に変えられるかである。

情報発信する者は、受け取る者が必要としている事柄を確かめる必要がある。


辞書⇒ある事柄についての知らせ。判断を下したり行動を起こしたりするための必要な、種々の媒体を介しての知識。



12.成果

 仕事を成し遂げた結果と成果は異なる。成果は、仕事をした結果、現れた効果である。優れたできばえのモノを作ったとしても売れなければ成果は産まれない。売れて、顧客が満足し、顧客が認めて成果になる。顧客が購入しても、次に購入しなければ成果にならない。顧客満足の後の継続した好評価が成果である。

 成果は2つの方向に現れる。第一が顧客満足に関わる社外にある。第二は社内に対してであり、利益、継続、発展となる。個々の人材に対しては報奨、生活・職場環境に現れる。

 成果の主は社外であり、社外に成果を見せられなければ、社内に戻ってこない。仕事の結果と素適さを主眼にはできない。仕事における成果は、如何なる場合も外に求めるように検討する。リーダーが努めるべき大きな仕事の一つは、各組織人に対して、成果になる具体的な形の提示である。

辞書⇒成し得た良い結果。できばえ。



13.生産性

 生産すべきモノを確定させるために、社会や市場を観察・調査し、顧客群を探る。顧客群の環境、期待、活動の観察を行い、生産するべき複数の方向を設定する。生産方向が想定できれば、生産するための材料の選択または研究を行い、調達方法、継続性を確認する。生産するための設備、技術、課題を調査し、解決できるか確率、可能性を設定する。ここで、生産するモノの確定を行う。生産工程を設計し、試行し、生産効率を計測する。生産量、流通を設計する。商品サンプルができたところで、市場評価を調査し、顧客群の評価を探る。改善点を検討し、最適パターンを求める。流通後に起こり得る問題(リスク)を取り出し、対策を講じておく。生産が開始された後、効率、他商品との相乗効果、競争力を想定する。最後に顧客満足度を測定できる仕組みを用意する。

 モノを生産するとき、生産するモノの確定から、流通後の顧客満足度、展開、発展までを含めてが生産性である。コストと利益、改善、革新、市場浸透を生産性は含める。

「〜性」「〜的」の語がつくと、意味が曖昧になる。意味の範囲が広がる。

現在では、生産が意味する対象は、物の生産だけでなく、サービスの生産、機会の生産、知識生産等々が含まれる。

生産性は、組織活動の軸になる考え方である。

辞書⇒生産過程に投入された一定の労働力その他の生産要素が生産物の産出に貢献する程度。



14.正統性

 正統と正当がある。ここでは、2つの単語の意味を区別している。正当は真理の方向へ進み、正統は秩序を保つための状態への多数の人々の支持を示す。

 正当性は、真理・原則に近づこうする状態を示す。但し、社会においての真理・原則を設定するのは難しい。自由が正当性の一つの真理だとして、自由の範囲設定、自由への意識によって、自由の意味が変わる。自由、平等、平和は、時代や地域によって定義が変化し、人々の納得性も変化している。情報流が活性化してくると、正当とされる内容が、地域ごとの状態に応じて進化する。正当の意味が進化していく点では、正統と類似されるが、正当は普遍的原則を中心にする。正統は、時代、社会、組織の統治状態によって作られている。正統性は常に正当性と比較される。

 正統性は、慣習、歴史的制度、文化を基準にしている。国家、地域、組織に所属する人々の納得にもとずく秩序を作りだす。二者択一の5149で、51を正統であるとするのは無理があるが、比率の差による基準に正統の基準はない。

 組織おける正統性は、組織人の納得性に依存する。組織人に、観察し、考える力がなく、従順に従う姿勢が強ければ、正統性は黙認される。考える力を持つ人材が多ければ、正統性は変動しやすくなる。考える力を持つ人材が多く、知識流、情報流が円滑であり活性化していて、結論を導き出すシステムがあれば、組織力が高まってくる。


辞書⇒国民が政治の仕組みと政府の活動を承認・支持する度合いのこと。(正当性とも書く。) 正統―辞書⇒正しい系統。正当の系統。伝統・しきたりを正しく伝えていること。



15.責任

 責任は、立場と役目が明らかであり、役目を果たす意味である。

組織人材は、組織に所属する。社会人でもあり、家庭人でもある。組織に所属する人は、役目に対して責任を負う。同時に組織に対して、社会に対して責任を負い、家庭に対して責任を負う。組織人は、自分の役割だけを見ておれない。

 組織は社会の中に居て、社会の機能を果たし、存続する。組織は社会に対して責任を負う。顧客、市場に責任を負う。組織人材を抱えているのだから、組織人に対して責任を負う。経営者は、個人としての責任と同時に、組織人、社会に責任を負う。

 組織、人は互いに責任を負っており、相互依存の関係にある。自由な行動は、責任を伴っている。

 一般に責任を取る表現があるが、これほど無意味な語はない。

辞書⇒人が引き受けて成すべき任務。



16.前提

 考える、判断する元になる要素、条件を示す。思考材料、判断材料の抽出は、目的によって異なる。目的が明らかであって、材料が選ばれる。また、目的を設定するために前提を必要とする。前提は、知識、技術、視点と視野、経験によって前提レベルが決まる。同一人物、同一目的であっても、時間が経過し、知識・技術、経験、等々が異なれば、前提が異なり、目的達成のレベルが変わる。精度と今後の可能性に影響をする。

 一つの仕事が終わったとして、終わると考える場合と、終わってから次に進み、結果を活用すると考える場合とでは、終わった状態、終わった後の展開が異なってくる。考える姿勢でもあるが、前提の持ち方の位置が違っている。

 自らが生涯において成すべき事をもって、組織人としての立場を確立していこうと活動し、その時々の一つの仕事を成し遂げるとき、3種類の目的が存在する。3種類の目的が同一面または線上にあるとき、時間軸のとらえ方と連続性の考え方によって、前提が変わってくる。

 異なる前提を持つと目的、方法、方向が変わる。普遍的な原則を前提にするのは、考え方、目的等々の共通化に役立つ。

 行動を起こす時、意思決定をする時、前提を確認しておく必要がある。できる限り、過不足のない、最適になるような前提を検討する。自らの目的を優先すると、都合の良い前提を選ぶ危険性があるので注意する。

辞書⇒ある物事をなす土台をなるもの。推理において、結論を導き出す根拠となる命題。三段論法の場合は大前提・小前提を区別。



17.戦略

 目的達成のための行動計画、行動チェックリストである。

最初は、戦争を勝利に導くための方法として考えられた。ビジネス展開でも、戦略が用いられるようになった。戦争の場合の目的は、敵が存在し、敵に勝利することである。勝ち方にも様々の形があるから、戦略の組み立て方も一つではない。

 経済活動の場合、敵はなく、仮想敵も存在しない。目的は顧客を獲得し、市場でリーダーシップをとることである。リーダーシップをとる最も早い方法は革新を起こせばよい。イノベーションこそ、戦略を必要とする。経済活動で、戦略のための戦術には、商品開発、流通、資源投入、マーケティング、ブランド等々多数存在する。これらを最適に組み合わせて、活動進捗、成果、相乗効果を作り出す。

 戦略は、戦術と戦闘で構成される。戦闘形式、方法、目的は同時に複数存在し、戦闘を組み合わせて戦術になる。戦略策定者は、戦闘の方法を知っているが実際に出来るとは限らず、熟練しているとも言えない。むしろ、戦闘そのものはできないとした方がよいし、できなくても差支えない。戦術、戦闘を理解し、あげられる効果を測定でき、目的に即した効果を最大にする計画が立てられればよい。策定者は、方法と時、結果を想定する。現場を確認し、進捗を確認する。結果のあり様を検討して、戦略を変更する。戦略は、計画を立て、目的を完遂するために、進捗をチェックし、その時々の最適を作りだすのが目的である。行動チェック、結果のチェックができなければ戦略は無意味になる。

辞書⇒戦術よりも広範な作戦計画。各種の戦闘を総合し、戦争を全面的に運用する方法。転じて、政治・社会運動などで、主要な敵とそれに対応すべき味方との配置を定めることを言う。



18.組織

 組織は社会の中に存在し、社会の機能の一部を果たしている。社会の問題を解決し、社会を進歩させる使命を負っている。組織には、公益法人、企業、NPO、組合などの形態があるが、法的枠組みを示している。

 組織は、組織の特異を生かし、使命を果たす。使命を果たすために、人材を必要とする。製造、開発、流通、販売、会計、人事、マーケティング、広報などの様々な役目を持つ人たちからなる。組織目的を明確にし、様々な役目の人たちを一つにまとめ、目的達成に集中してもらう機能を組織は持つ。

 組織は組織構造を持つが、理想的な構造は存在しない。組織の目的、活動の方法に応じて、もっとも効率的な形態を作るようにする。現在では、ほとんどの組織の大半が類似しているが、働く人材が、組織図を前にして自らの役割が一目瞭然になる形がもっとも良い。各人材が役割と立場を知れるように組織する。

 グローバル企業が産まれている。国境を越えて一つの組織が形成されている。地域ごとの組織と、全体の組織の関連性、組織の集権と分権の組み合わせが必要になっている。

辞書⇒組み立てること。組み合わせて一つのまとまりを作ること。ある目的を達成するために、分化した役割を持つ個人や下位集団から構成される集団。



19.報連相

「報連相」は、1982年山種証券の社長の著書「ほうれんそうが会社を強くする」から始まった。報連相は、報告、連絡、相談を一つにした語句である。現在、多くの場合、報連相は部下から上司に向かって行うとされている。しかし、当初の報連相では、連絡は部下から上司とはされず、関係者に対して、になっている。

部下から上司に対しての報連相の考え方は、上司が部下を管理する、指導する、の考え方から起こっている。しかし、知識業務が多くなり、高度知識・技術を持つ人材が増えてきて管理ができなくなってきた。管理基準が、肉体業務と違って、量、質の測定が困難になっている。知識が知識に影響するようになり、情報が部下、上司に関わらず行き渡るようになっている。互いが、知り得た事柄、状況を知る必要に迫られている。社内サーバーに意見、データが取り込まれ、職位、部署に関わらずデータが見られるようになっている組織も存在する。サーバーに含まれているデータは報連相として定義されていないが、報連相の変形版である。

時と相手を見計らって報連相を実施できたとすれば、仕事の進捗スピード、精度はあがる。相手の状況を知り、必要としているモノを理解しているとすれば、自らの立場と責任を理解していると言える。協働関係も把握している。

報連相の概念は、組織内の知識・技術・情報流の円滑さを図っている。

辞書⇒辞書に掲載なし(辞書では単語として認識されていない。



20.マーケティング

 マーケティングは、お客様が、必要なモノを、必要な時に、素早く簡単に手に入れられる仕組みの構築を目的にしている。消費者センターのお客様の相談窓口を減らす、もしくはなくすようにする(相談が起こるような問題を持たせてはならないようにする)。販売部門をなくす、または出来るだけ小さくできるようにするも、マーケティングの目的に含まれる。上記と重複するが、必要なモノを見いだす、お客様が必要になる時のタイミングを知る、お客様が望む最適な精度・品質を維持する、手の届くところに置く方法等を探り開発する、等々を開発するが、意味であり、目的であり、活動内容である。

辞書⇒商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動。



21.マネジメント

 マネジメントの意味を解釈し、機能を説明するとすれば、人に関わる事柄であり、凡人を非凡にすることを目的としている。機能の第一は、組織の特異を作りだし、特異をもって組織の使命を遂行する。第二に、人材がイキイキと働けるようにし、働く者に遣り甲斐があるようにする。第三に組織の特異、知識・技術をもって社会の問題を解決する。この3つがマネジメントの中心になる機能である。

 少なくとも、管理、処理ではない。知識・技術を持って仕事をする人材を管理できない。せいぜい、勤怠程度である。職場での立場があり、役割があり、責任を負っている。役割を果たす結果は、予定以上の成果を期待されている。管理が発動される時は、予定を下廻る時である。肉体業務を中心になっている場合は、量と時間で制約される。肉体業務の人口比率は激減している。知識・技術をもって業務を推進する者の知恵を十分以上に引き出し、明日に向けて成果を大きくしてもらうための機能がマネジメントである。


辞書⇒管理、処理。経営。経営者、経営陣。
(マネジメントの語釈は1930年頃から同じになっている。)



22.ミッション

 組織ミッションとすれば、使命を示す。組織ミッションの延長で部署ミッションとすれば、業務の変更はあっても、組織使命に繋がる業務使命になる。始めと終わりのある一つの仕事でミッションをとらえれば任務になる。

 組織を中心に考えれば、ミッションは使命であり、使命が社会で果たす役割、社会での機能を示す。語釈の中に、目的を含めて例えた方が良い単語である。組織によって果たす役割・機能は異なるので、十分に検討して、組織ミッションを説明するようにしよう。

自らが持ち合わせているもの、特異にしようとするものを持って、社会と未来の課題を解決し続けていく行動と思考がミッションである。

辞書⇒使節団、またはその使節。伝道。宣教。伝道スクール。



23.リーダーシップ

 リーダーシップの意味を追求すると、リーダーとして資質、能力へと進んでいく。しかし、リーダーは仕事である。リーダー的資質を十分以上に持っている人はおらず、知識と技術、経験を重ね、不断な学習と研究を重ねてリーダーに育っていく。

 リーダー的感覚は、皆を引っ張っていこうとする傾向は、過半数以上の若者が持っている。しかし、リスクを伴った責任を負うとなると割合は減ってくる。リスクに備える方法と知力を養える者がリーダーになっていく。何を見て、如何に考え、行動し、成果をあげていくかを学び取る。リーダーは仕事であるとし、リーダー体系を整える。

 リーダーシップとは、3つの要素を持つ。第一が人と組織、社会への観察眼である。第二が成果をあげ続けようとする姿勢と実践である。第三がリスクを負える目的意識と戦略性である。

辞書⇒リーダー:指導者。先導者。首領。リーダーシップ:指導者としての地位または任務。指導権。指導者としての資質・能力・力量。統率力。



24.利益

 経済活動において、何等かの形で、余剰分を産み出さねばならない。活動には必ずコストが必要である。明日のコストをまかなうための費用が必要である。何等かの障害が起こったとき、問題に直面したとき、解決するために費用が掛かる。新たな商品・サービスを作りだすために、社会での自社の機能を高めるために、コストがかかる。これらをまかなうために利益が必要になる。利益率に適正などはなく、限りなく大きくなる方が良い。

 コストのない利益はない。最少のコストで、最大の利益を得るのが経済活動の目的の一つである。但し、利益は副次的であり、市場、社会に財を投入し、生活や文化を発展させるのが経済活動の優先課題である。市場を活性化されるもっとも有効なモノは資源の投入である。これらの代価を受け取り、利益を獲得する。

 1+1>3以上にしなければならない。部分の総和が全体を大きく超えなければならない。この要素が満足であり、価値である。単なるモノを資源化するところに生産の意味がある。


辞書⇒利すること。利得。得分。もうけ。ためになること。益になること。



25.流通

 物、知識、技術、情報、文化、金、等々が社会に伝わっていく状態を言う。

最初は人の移動に伴って、モノ、文化が移動した。移動速度が速くなると、伝達量、移動量が増えてきて、互いが刺激され、社会が活性化されてくる。インターネットができて、知識、技術、情報、金の移動が一瞬になった。時間と距離を限りなくゼロに近づけた。人の移動の障壁になっていた国境がなくなった。さらに社会が刺激され、科学、文化等々の進歩が速くなった。

 伝達方法と宅配の物流が確立され、eコマースが発展した。流通は産業構造を変える。流通の変化は、イノベーションを起こす大きな要因になっている。

辞書⇒流れて滞らないこと。広く世間に通用すること。広く伝わること。貨幣や商品が移動すること。